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キャラに小話付けるぜ2弾は

恐らくうちの子sで一番空気的存在の鴇。

(´∀`)ニコ!

鴇は雪路さんの特異点を無効にする特技を持っていますが、
それは彼が超記憶症候群という病気だからです。
…って昔書いたよねー…
何でも、見たもの聞いたもの知ったもの全てを忘れる事が出来ない病気。
…あっきゅんですね。わかります。


お借りしました。素敵な方々。

大衡 吾愁氏
櫻井 雪路さん

久しぶりに昔のgdgd調で書いてしまった…

それでは本編!↓













あると所に、一人の男の子と、一人の女の子がいました

どこにでもいる、普通の幼馴染の男の子と女の子でした

けれども、ある日女の子は、事故にあう

新聞にも載ったほどの大きな事件

男の子は、女の子の死を悲しみました

そして次の日、

男の子がであったのは、いつも通りの、

元気な女の子の姿でした

男の子は驚きました

目をこすっても頭を叩いても、それは夢ではありませんでした

周囲の人も、彼女と普通に、いつも通りに接しています

男の子は混乱しました

そしてその何ヶ月か後、

再び女の子は、ある事件で命を失いました

男の子は悲しみました

けれども、

けれども、女の子は、

再び、笑顔で男の子の前に、

現れたのです







「……及第点」
読みかけの原稿を途中で畳み、吾愁は顎をしゃくった。

「はぁー?最後まで読んで無いじゃん?」
「読まなくても大体想像がつく、結局あれだ。この小説で言いたいのは、登場人物の少年少女、どちらも何らかのファンタジー要素が加わっている人間でした、って事だろ?」
「う…う、まぁ」
図星、と言わんばかりの苦々しい鴇の表情に吾愁は苦笑する。

「まぁ、なんだ。お前位の歳幾許かで想像が吹き飛ぶような話を書ける奴なんてゴロゴロ転がってる訳がない。
…というか転がっていられちゃー困る。俺が廃業だ」
ヒヒ、と自嘲気味な笑いを浮かべ、そして自身の仕事を再開すべく机に向かう…が、

「しかし珍しいな?」
「ん?何が?」
ボツになった自分の原稿は諦めたのか、適当に置いてあった文集を寝転がりながら見ていた鴇は面を上げる。

「何がって、お前さんが文字書きに興味があるなんざ思わなかったからなぁ。
いつもの写真はやめたのか?」
「まさか」
笑って鴇は、懐のカメラを取りだす。
カメラごと壊されては元無い、とデジカメの他に小型フィルムが内蔵できる物も最近は持ち歩いているらしい。
左右の懐から取り出されたカメラの、片方を手に取り吾愁は電源をつける。

「最近は何を撮って、…げ」
小さく顔を歪める吾愁。
「お前ね、こんな物騒なものを撮るのはよしなさい」
身元が判別出来ないほどの交通事故の写真、スプラッタやバラバラ死体が所狭しと画面に収まっているのを見て、思わず片眉をあげる。

「いやぁ、そういうのがさ、やっぱ売れるから」
殺人が当たり前のこの街じゃ週刊誌に使われる写真だって多少大げさなものでないと反響が薄い。
そういった写真を撮って、どこぞに売りつけて小銭を稼ぐ…それが彼の生活費の一部だとしても、
こんな若いうちから、と吾愁は思わずにいられなかった。

「しかしまぁ、よくこんなに事件に遭遇できるもんだね。俺も人の事を言えるもんじゃないが」
「…んー…まぁ、コツがあるってか、企業秘密」
ニヤ、と笑う鴇に吾愁は小さく肩をすくめ、そして小さく「あ、」と呟く。

「ん?どしたの先生」
「いやほら、お前さんが急に文字を書いた理由を聞いていなくってね」
「…あぁ」
小さく鴇は頷く。

「別に、先生みたいにそれで食いつなぎたいとか、認められたいとか思って書いたんじゃなくて、
何というか、知ってほしかった、っていうのがある」
「知ってほしくて?」
「そう」
鴇は放り出した原稿を手元に手繰り、パラパラ、とめくっていく。

「こういう不思議人間も、もしかしたらいるかもしれない、って話」
「まさか」
吾愁は大仰に肩を上げる。
「そんな面白いネタがごろごろ転がっているなら…俺がネタにしない筈がない」
「まぁ、そうかも」
どこか少し納得の行かないような顔で、鴇は立ち上がると鞄に原稿を押し込み玄関へ向かう。

「ん?このまま校正に付き合ってくれるんじゃないのか?」
「悪ぃ、先生。雪路と待ち合わせしてるんで」
「…妬けるねぇ」
「……そんなんじゃないって…。少なくとも向こうにとっては」
ニヤニヤと冷やかしの言葉を投げかければ、鴇は諦めたような笑みで肩を竦める。

「俺にとっては、人生が変わちゃった程の、相手だけどね」

じゃあまた、と鴇はいつもの様に玄関ではなく勝手口から出て行く。
いつの間にか彼専用のツッカケも置かれていたのに気が付いたのもつい最近だ。

…ではなくて、

「ふむ」
吾愁は暫し思案する。

“人生が変わちゃった程の”
それは決して恋心とかだけを指すのではなく、

或いは、
あの話は、もしかして、


「まさかな」

先ほど自分が鴇に投げかけた言葉を思い出し、
吾愁は苦笑した。




Ж Ж Ж


「鴇、遅いわよ」
「悪ぃ、吾愁さんの所行ってた」
「また?随分と好きなのね」
「つーかまぁ、校正手伝ったらちょっと小遣い貰えるしな」
上機嫌の鴇に、雪路はふぅん?と頷く。

「じゃあ…小金持ちの鴇君には美味しい美味しいソフトクリームでも買ってもらおうかしら」
「またか?お前さー昔っからアイスばっか食ってるよなぁ?」
驕る事に対してはあまり抵抗せず、鴇はやや呆れ顔になる。

「いいじゃない?好きなんですもの」
にっこりと雪路は笑みを浮かべる。

「じゃあいつもの?」
「ええ、小岩屋のソフトクリーム、一緒に食べましょう?」
「…まぁ、いいけどね」
そうして2人は並んで歩き出し、

「あ、なにあれ?」
「ん?」
雪路は街に立ち並ぶ街灯の一つに眉をしかめる。
「ほら、あそこ凄くひしゃげていて、大きな事故があったみたい」
「……あ、本当だ。何だろうな」
「何でしょうね?昨日は無かったと思うけど」
「ま、こんな街じゃ今すぐに街灯の2,3本ひしゃげてもおかしくないだろ」
「そう、かもね」
そんな事よりも小岩屋だろ?と鴇がせっつき、雪路は気になりつつも、その場を後にする。


「しっかしさー、お前アイスばっか食ってたら太るぞ?」
「えー太らないわよ?だってこう見えてもちゃんと運動はやってて、…」

いつも通りの会話。

いつも通りの、そんな2人の、そんな日常。

そう、いつも通りの。





Ж Ж Ж Ж Ж Ж


「あの街灯がひしゃげているのは交通事故。轢かれた奴はぐしゃぐしゃになって即死。
…その被害者は、雪路、お前だよ」


何度も出掛かり、その度に言葉を呑んだ。

言ったって信じるわけが無い。                             
だってもどうしても、雪路はこうしてこうやって、ここに生きているから。

そして、自分のカメラの中の、その光景は既に消えうせ、
街中の人々は彼女の死を忘れる。




雪路に、彼女に起こる生と死の繰り返しは紛れも無い本物。

その事を溶けた雪の如く忘れてしまう人々も、きっとそれで正しい。

じゃあ、おかしいのは、やっぱりおかしいのは、





「ねぇ、鴇」
「ん?」
「ソフトクリーム、美味しいね」
「ああ、美味いな」
雪路の笑みに、鴇もつられる。





そう。
おかしくてもいい。
なんでもいい。

だからもう少し、少しでも長く、

彼女の笑顔が…続きますように。






寒空の下、2人は並んで、ソフトクリームを手に笑い合った。

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2008.11.08 


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