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あばばばばー\(^o^)/
憧れの梟の館に突入ー!みたいな話。
お借りしましたのは

梟さん
雪路さん

相変わらず纏まりありませんが、
えーと、これだけは言っておく…
梟さんも雪路ちゃんも大好きー\(^o^)/





「仕事は、…成る程、収入…ふむ、…で、ついでに…自己防衛手段は……まぁ、そこは触れないでおこう。少なくとも、うちにいる内は安全だからな」

広げられた書類に目を通し、そして梟は面を上げる。

「で、だ。最後に質問なんだが、」
「はい?」
投げかけられた言葉に鴇は相変わらず眠たげな瞳で反応する。

「数あるアパートで、何でうちを選んだんだ?まァ、俺の興味で聞いてるんだから、答える必要はねェが、」
「……このアパートが、シシリー島と繋がってるから、です」
「繋がってるから?」
「…いつでも、美しい風景を…見にいけれるから、」
自身でも、心底似合わない…台詞を口に出し、気恥ずかしさに少し口の端をゆがめる。

「…へぇ?」
対して梟は、少し興味を持ったかの様に瞳を細める。

「そんな返答は初めて聞いたなァ…少なくともこの街の住人からは」
「そうですか?」
「ああ、」
その理由をどう受け取られたのか、しかし、いつも通りの口角を上げた不思議な笑みのまま、


「まァ、兎も角…。ようこそ梟の館へ。
…歓迎するぜ?」

梟は厳かに言った。




以下の話は先にココ読んでおくと分かりやすいかも!…という宣伝。



話は、数日前に遡る。


「何それ?ゲームの話?」
「あー、そうそう。最近やってる同人ゲーの」
「…うーん…同人……って、何、そういうの好きなんだね…」
「……あのさ、何か勘違いしてね?…あーあれだ。シューティング、STG、ガガガって、撃つ奴だよ」
「…あぁ、」
納得した様な、そうでないような顔の中間で雪路は頷く。

「で、何だっけ、その能力って、」
「“一度見た物を忘れない程度の能力”…まぁ、世界史とかのテストに便利な感じかな」
「便利、ねぇ。それって、人並み外れた暗記力の持ち主って意味合いにも聞こえるけれど、」
「そういう言い方だと何かツマンナイんだよなぁ…」
鴇は小岩屋のソフトクリームにぱく付き空を仰ぐ。

たわいの無い会話、学校帰りの小岩屋のソフトクリーム、
それは最早日課になっていて、
そして鴇が同じ話題を繰り返す事も、随分前からの日課となっていた。

その、能力について雪路と話すのは初めてではない。
たまたま、彼女が「死」んだ次の日に、その話をし、
そして次に彼女が「死」んだその後で同じ話題を振ってしまった時に、
彼女は、雪路は、その話を「初めて」聞いた、という反応を見せた。

どうやら、「死」の記憶以外にも、その前後の記憶にタイムラグの様な事が起こるらしい。
そんな事を知ってから、
鴇は進んで、ゲームで例えてみながら、自分の、その病気について話し、
そのたびに雪路の反応を伺っているのだ。
毎度同じ返答をするわけでもなく、
その度に帰ってくる様様な言葉を鴇は、やや楽しみながら聞く。
その繰り返し。


…我ながら、嫌な性格だな。

彼女に見えないように鴇は皮肉った笑みを浮かべる。



「私は、ね」
「うん?」
思案に暮れていれば、同じように雪路も思案していたらしい、
とつとつ、とソフトクリームを食みながら彼女は笑う。
「羨ましい、かしら」
「羨ましい?」
反射的に、聞き返す。

「…え、だって、テストはそうだけれど、
これは絶対忘れたくないーていう素敵な場面や景色なんかが、ずっとずっと、脳に残っているのよね?
…それは、羨ましいと思うけれど…」
「羨ましい?」
今度は、少し怒気をはらんで、鴇は聞き返す。

「……この街で、そんな、綺麗とか美しいとか、…そんなもの、見れる訳ないじゃないか…
見るのは死体、聞こえるのは悲鳴、焼きついて離れないのは惨劇、
…どうかしてるよ…それを羨ましいとか、」

「……鴇?」
怯える、というよりは面食らった様な雪路の声。

ハっと、鴇は我に帰る。

「…悪ぃ…ちょっと、えーっと、少し、イラついた事、あって、」
ごにょごにょ、と気まずく理由を適当に述べれば、
雪路は不意に微笑み、ぽんぽんと鴇の頭を撫でる。

「全く鴇は、そういう所が子供なのよね」
「…どこが、」
「そうやって相手に怒って拗ねて文句言う所」
「……るせー」
けれどそこまで言われて不貞腐れるのも格好が付かない。
体面を取り繕うように、無理に表情を元に戻し、鴇はソフトクリームをぱくつく。
その様子に、更に雪路は笑みを浮かべる。

「きっとね、あんまり覚えすぎる人は、…辛いことばかり覚えてしまうと思うの」
「え?」
「さっきの続き。…私なりの答えだけど、怒らずに聞ける?」
「…聞く」
よしよし、と雪路は満足そうに頷き、鴇は降参するかのように、肩をすくめる。

「人は、辛い事を忘れるから生きていけるって、良く言うじゃない?
けれどね、忘れられない人は、辛い事も抱えてずっと生きていかなきゃいけない。
…そう思って、思って、その辛さに、忘れてしまう事があるの」
「忘れてしまう?忘れられないのに?」
そうよ、と雪路は続ける。
「辛い事と同等に、いえ、それ以上に、自分が幸せなものも、一杯見ることができるって事を…忘れてしまうの。
…例えば鴇、」
「おう」
「ソフトクリームを食べている時は?」
「えー、えっと」
「幸せ…よね?」
「ああ、うん」
「じゃあ、そうね…鴇がやっているゲームをクリア出来た時は?」
「…あー…幸せ?」
「正解」
よくできました、と雪路は笑む。

「そうやってね、こんな、…こんな街に住んでいたって、
…それだって、自分のやり方次第では、幾らでも、綺麗で、美しいものを見る事だって出来ると思うの。
きっと、けれど覚えすぎちゃう人は…目の前にだけ起こる事ばかりが辛くて、
…幸せな事も、ちゃんと覚えていれるんだって事、…忘れちゃっているのかも、ね?」
「…………」
初めて聞く、その答えに、…鴇は戸惑う。
自分の事を知って、そう答えた訳でもないだろう。
けれど雪路の言葉は、鴇の脳内を、何度も何度も反芻する。



「…雪路、」
「何?」
「その、…何か、いいものでも、見つけたとか?」
「…どうして?」
「や、その、幸せなものって、えらく具体的な感じがして」
「あー…うん、まぁ、ね。………鴇、梟の館って、知ってる?」
「…名前くらいは」
「そこのアパートね、凄く素敵な景色の場所に、繋がってるって聞いたことがあってね、」
「…なにそれ、どこでもドア?」
「良く分からないけれど、……でもね、その景色、…綺麗な景色って、この街じゃ中々見れないでしょ?
だから、ずっといいな、いいな…って思っていて…
だから、さっきの話に繋がるんだけれど…」
「ああ、」
納得した顔で頷けば、雪路は少し照れるように笑う。

「けれど、私もちょっと単純だったかしら」
「ああ、」
「…酷いなぁ…」
少しむくれる彼女に鴇は苦笑する。

そして、

「雪路、」
「何?」

「……ありがとう、な」


「…どういたしまして」




何に対してありがとうで、何が分かっているから返事をした、

…なんて、細かいところは、2人の間にはどうでもいい。

ただ、昔からそんなやりとりをしてきた、

そんな間柄だ。

多分、これからも、

ずっと先も。








続き
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2008.11.15 


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