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続きとして言えば、黒ポン氏の件の √|○ノシ<ははははは! …の続き。
時系列で言えば、雪之丞がポールマン50号に出会う前の話。

チャットと矛盾しているけれど、進行的にはそんなに問題ないので続けます。

最近…鴇が写真屋なのに雪之丞がその特性乗っ取り気味で困ったなぁ


そして恋愛うなうなな終わりか足してますが、
個人的にはワーズはこっぴどく振られても楽しいと思っています。

(w;^Д^)<どんだけ…!

ガルさんの口調に自身がないなぁ…
こういった系の男性は書き慣れていない、というよりは。
うちの子はっちゃけ系が多いです。男性陣






Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж


一人は、寂しい。

寂しくて、寂しい。

だから、僕はお店を開いた。

誰かが、常にいてくれるように。

でも、誰も来ないと、やっぱり一人ぼっちで。

だから、僕は、作った。

一人じゃないように、

ずっと、傍にいられるように、


-------、を。






カランコロン


「あ、」
ドアの開く音にワーズはビクリを耳を震わせる。

「え、何…何かあかんかったん?」
ドアを開けた方…雪之丞もワーズの様子に戸惑ったような表情を見せた。
「い、いえいえいえ!どうぞ、いらっしゃいませ!」
パパパと身支度でもするように耳を伸ばしてピン、と背筋を張り、ワーズははにかむ様に笑む。
「まぁ、ええねんけど」
いつもの事やし、と雪之丞はカウンターに腰掛け、そしてニヤ、と笑う。

「なぁ、マスター、面白いもん見せたろか?」
「…面白いもの?」
いつも彼に出すスコッチの準備をしていた彼女は、ピタリ、と手を止め興味津々にそちらを見やる。
手には一つのデジカメ。
渡された、そのままの画面をワーズは覗き込み、……


「………」

「な、面白いやろ?」

「………ふ、ふふ…」
口元に手を置き、小さくワーズは肩を震わせる。
まぁ、無理も無い。
あのガルシアの、あの顔なんだから、

「……では、雪之丞さん」
「ん?」
「消してくれますね?」
「……んん?」
意味が分からず、雪之丞は首をかしげ…そしてワーズの表情を見て固まる。

目が、笑っていない。

「…いや、なぁマスター?こんなん、あれや、軽い冗談やで?」
「でも本人には冗談ですまされませんよね?」
「いやまぁ、せやけどなぁ」
「消してくれますか?」
「いや、けど勿体無いしのぉ、」
「消してくださいね?」
「……」
「……」


笑みが増し、目が、深く、深く沈む。

「……いや、ああ、消す。…ああ、消すわ」
無言の圧力に耐えかね、雪之丞は降参の諸手を挙げる。

「なら、いいんですけれど」
ようやくワーズは、目の前の客のためのスコッチを作り始める。

「せやったらマスター」
「はい?」
デジカメの電源を落とし、カシャ、とSDカードを抜き出し、そしてカウンターに置く。
「マスターから、これガルシアに渡してもろといてくれへんか?」
「いいですけど…」
その意図が読めず、ワーズは首を傾げる。

「いやなぁ、ガルシアの事やろ?儂が目の前でデータ消した言うても、どこぞに隠しておると疑うに決まってるやろ?
「…確かに」
「いや、否定して欲しかったんやけどなぁ…まぁええわ。
やから、データそのものを、マスターに預けて、それでガルシアに手渡ししてもろた方が、
安心っちゅーか安全っちゅーか」
「…成る程」
ワーズは納得し、スコッチを置いて、代わりにカウンターのSDカードを手に取る。
では、前置きは長かったものの、雪之丞は、元々ワーズにこのチップを渡す為に、この店に訪れたのだろう。
ワーズは一人納得する。

「で、」
「ん?」
「他にデータを持っているということは…」
「ああ。ないない」
雪之丞は笑ってスコッチを煽る。
「そない2重3重に隠してたらずっと疑われなあかんやろ?そないな関係、いややしのぉ…」
「なら、いいんですけど」
それ以上追求しても何も出てこないだろう。
そう踏んだワーズは、どうしようかと一瞬思考し、そして自分の制服のポケットにそれを入れることにした。


「さて、そろそろ行くかのぉ」
一杯だけですまんの、と代金を置き雪之丞は立ち上がる。
「もう行かれるんですか?」
「ああ、ちぃ、とな最近この小路歩きまわるんが楽しくてなぁ」
腰に構えた刀の具合を確かめ、雪之丞は笑う。
「気を、付けてくださいね?」
無事ですむ方が少ないかもしれないけれど、ワーズは止める事はせずそう声を掛ける。


「ああ、頑張るわぁ……せや、」
ごそ、と胸元を探り、雪之丞は茶封筒を取り出す。
「こっちは、マスター…やのうて、嬢ちゃんに渡そう思ってな、」
「はい?」
分からず受け取るワーズに、雪之丞はヒラヒラと片手を振り、ドアに手をかける。
「儂もなぁ、こないな街におるけど、そないな表情取る方が…好きなんやで?」
そう、言葉が残り、
カラン、と扉が閉まった。




「…なんでしょう…写真?」
質素な茶封筒には一枚の写真。
カサリ、と取り出し、手に取り、
そして、固まり、そして、赤くなる。

「…あ、あれ、えーっと、いつの間にこんな写真…」



刹那。



「コッチデス!」

カランカラン

平和な鐘の音と裏腹に、急いた声と慌てる様な足音が聞こえ、ワーズは飛び上がる。

「あ、あう、あ」
写真を胸元で押さえ、心臓をバックバクさせていると、
最初に背の高いポールマンが、続いて完全武装の、ガスマスクの男が姿を見せる。

え、何、何!?

壁際に寄り掛かり固まるワーズに目もくれず、そのポールマンはくるりと店を見回し、
そしてため息を付く。
「先程マデイタヨウデスガ、今ハモウココニハ…」
「む…一足遅かったか」
僅かに落胆するガスマスク。

その声で、ようやくワーズは、ガスマスクの人物が、自分が手にしている写真の主だと気が付く。

「あ、あの、雪之丞さんでしたら、先程店を出られたところで」
「む。そうか。…15号、そのまま追跡を続けてくれ」
「リョ、了解シマシタ!」
脱兎の如く、ペコリと頭を下げたポールマンは店を飛び出していった。


「………」
「………」
何でそんな格好なのかは、先程の写真で何となく想像が付く。
どうしようかとゆっくりカウンターの真ん中に戻れば、ガスマスクの、ガルシアがこちらを見やった。

「突然失礼した、Miss.ワーズ」
「ああ、いえ、そんな」
物々しい格好にビクビクするワーズに、ガルシアは小さく息を吐く。

「突然にこんな格好で申し訳ないが…我々が探している人物を知っていると言う事は…
アレを見た、と?」
「あ、え、う…えっと」
青くなりしどろもどろになるワーズに、ガルシアは幾分声のトーンを落とし、宥める様な口調になる。
「見たからと言って君をどうのこうのする訳ではない。…安心してくれ」
と、言ってもこの格好では信憑性は無いな、と呟くガルシアに、
ようやくワーズは見ました、と小さく頷く。
「…そうか、なら仕方が無い。彼も半殺し程度ではあるが、」

「あ、ああ!待って!待ってください!」
その事を思い出し、ワーズは慌てて制服のポケットからSDカードを取り出す。
「あのこれ、雪之丞さんが、自分が消すだけじゃ信憑性無いからって、その、私に、」
しどろもどろの台詞だが、ガルシアは成る程と頷き、彼女からSDカードを受け取る。

「…成る程。確かに…で、これ以外に彼が複写コピーを持っている可能性もあるが…」
「あ、えっと、それは無いってその、疑ってばかりの関係で、友情を壊したくないとか、その」
「ふむ、」
暫し思案顔であったが、(ガスマスクで表情は分からないが、そのはその、雰囲気で)
ややあって納得した様な素振りを見せる。


「で、当面の問題の一つは解決したが…Miss.ワーズ」
「は、はひ!」
怯えて、間抜けな返事をしてしまう。

「……その、胸にあるものはもしかして私の写真じゃないか?」
「あ、えと」
「そうなのか?」
幾分柔らかい声なのだが、有無を言わせぬ怒気はまだ残っている。
おずおず、とワーズはソレを差し出す。


「……これは、」
僅かに、声に驚きが混じる。
自身の写真を信じられないように見、

「……今でも、私はこんな風に笑える事ができるのだな…」
「え?」
聞き取れないくらいのその声にワーズは思わず聞き返したが、ガルシアはそれ以上何も言わず写真をカウンターに置く。

「こんな写真でも、奴やは笑いのネタにしかねんからな。
これも私が預かって、ん?」
懐に入れかけたガルシアの袖を、ワーズが小さく摑んでいた。

「Miss.ワーズ?」
「……だ、駄目です」
「駄目?」
「…それは、駄目です……」
顔を俯け、ワーズは怯えるように小さく震える。

「…それは、私が雪之丞さんに…貰ったんです。…だから、駄目…です」
「………
振り払えば簡単に離れてしまう細い手を見、
そしてガルシアは暫し沈黙を保ち、

「…見せないかね?」
「え?」
「あの連中に見せる事はないか、と聞いている」
「み、見せません!絶対!絶対見せません!」
ぶんぶんと首を振るワーズ。
「なら、私はこれ以上この写真には干渉しないでおこう」
自身の袖をつかんでいたワーズの手をそっと取り、その手の上に仕舞いかけた写真を乗せる。

「あ、あの、あ、ええっと、」
彼女にしては…随分大胆な事をしてしまったと、
写真を手に撮りあうあうしているワーズを一瞥し、ガルシアは席を立つ。

「何も飲まないのは聊か礼儀が成っていないがすまない。
このガスマスクが取れた頃にまた伺わせて頂こう」
「あ。え、と」
ス、と席を立つガルシア。
何か言葉を、とあれこれ考えているうちに、小さく会釈したガスマスクのガルシアは
カランコロン、と店を出て行ってしまった。

どこか少し、慌てるような感じで。



「………何、やっているんだろう…僕」
気配が消えて暫くしてから、ワーズはへなへな、と座り込む。




一人じゃ寂しいから、この場所を作った。
一人じゃ辛いから、あんなものを作った。

でもそうじゃなくて、
ここにいる自分は確かに一人なんだけれども、

そうじゃなくて、




瞳を閉じ、
ぎゅう、とワーズは写真を抱きしめる。

暖かさを乞う様に。
ずっと。ずっと。


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2008.11.28 


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