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よよ、夜市小路話も書きたいのに色々追いつかないあああ。

しかーし!
ちょっとお休み今日明日貰えたので
もっそもそ書く。
文で。
文だったら何も考えずに言葉が出てくるのに…絵だったらどうして…もう √|○
精進しましょう。


時はさかのぼりますが、
この絵




を投下した頃…つまりあれです。
我等のパパンの命日の日のお話。
るっきゅんがお花を買いにいくお話。

過去話まだまだ消化しきれてねぇええ

ではでは。
Start ↓



花に囲まれるのが、大好きだったお父様。
大きな、優しい暖かい手。
……あの手に撫でられる事はもう無いのかもしれない。

分からない。

けれども、

今だって、

「……キア?」

「……ん…」

「ルキア?」

薄ぼんやり開けた瞳に、何かの影が映り、

「…ッ!?…ジーベン!」
仰け反るように反射的に釘の名を呼ぶ。

無数の釘が、あわや相手を串刺しに……刹那。

カカカカン!

小気味よい音で釘が打ち落とされていく。
……こんな芸当、できるのは…

「あ、ヨーテ」
声とともに、ジャラン!と浮力をなくし大量に落ちる釘。

どういう原理で釘が浮力を持つのか分からないが、
取りあえずは、ルキアの声に反応している事は確かだ。(もしくはその思考に)
試しに他の者でも、と試してみたが…
例えばMr.□の持ち物の場合、
弾丸は全く動かなかったのに対して、彼の持つ銃がひゅいーと飛んでいったりもした。
つまり、…飛ぶものはランダム…という事だろうか。

まぁ、その話はさておき。

「昼間から眠いなんて珍しいなぁ?夜更かしでもしてたのか?」
「うーん…まぁ」
まだ半分寝ぼけたような声のルキアの頭を、起こすようにヨーテは叩きながら苦笑する。

カウンターに突っ伏していた彼女の、その腕の下に散乱するのは何冊ものカタログ。
鮮やかな花の写真が、そこらかしこに映っている。

「ああ、そっか親父さんの命日に贈る花、捜してたんだな。…普通に黄色の薔薇一輪で喜ぶと思うけど?」
随分と派手なフラワーアレンジメントや大量の花束のページばかりを開いているのを見て、ヨーテは首をかしげる。
「ううん。駄目。お父様は、沢山の花に囲まれてなくっちゃ…駄目」
「ふぅん?」
これ以上思案しても、時間ばかりが過ぎてしまう。
パタン、とカタログを閉じると、ルキアは立ち上がる。

「じゃ、行って来ます」
「ああ、行ってらっしゃい…どこへ?」
「…夜市小路」
言ってルキアは、ニヤリと笑みを浮かべた。



Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж



夜市小路。

この暗黒街の中でも、訳の分からない巣窟TOP3には入ってる筈の、へんてこな場所。
普通の裏路地を歩いていたら、いつの間にか鬱蒼とした小路に足を踏み入れている。
そんな現象の、この小路。

フルイやらじゃがいもやら、ダンジョンさながらのモンスターエンカウントが高いこの小路を、
バールを構え、釘を従え、そして鼻歌混じりに、ルキアはずんずん進んでいく。

目指すは…


「おやおや~そんなに急いで何処行くの~?
こんな所に女の子が1人~♪」
「うわ」
早々に変な奴にあった。
くるり、と方向転換。

「ああ、待って待って。別に邪魔しないよ?しないから、多分ね?」
「多分?…多分は駄目」
「…うーん?じゃあ、恐らく?」
「同じ」
「じゃあねぇ~え~っと、」
「絶対。駄目。絶対」
「…しょぼーん」
言葉通りしょんぼりするわけでも無く、ルキアの後ろを付いて歩く…行燈傘…通称、傘。

「ねぇねぇ、るっきゅん。今日は何処に行くの?ラスボス倒しに?」
「…今日は、違うの。お花屋さん」
「お花屋さん?」
「そう、お花買いに」
花屋に花を買う以外の用事も思いつかないが、とんとんと2人は会話を続けていく。

最初は警戒しまくり、釘飛ばしまくりだったルキアも、
流石に慣れた。
慣れすぎるほど、この小路で会いまくった。

…だからといって、警戒を解いているわけではないけれど。
だって、傘が喋るって…変じゃないか。

頭の片隅でそう思いながらルキアは花屋への道を急ぐ。

「ほうほう~お花屋さんなんてこの小路以外の花屋もたくさんあるのにねぇ~。
るっきゅんの怖いもの知らずぅ~♪」
「五月蝿い」
ギ、と睨めば、おお~こわいこわい~、と対して怖がりもしない口調で、傘はケタケタ笑う。

さて、不毛な会話でも続けていたら時間はあっという間に過ぎてしまう。
歩いて数十分、そろそろ中間地点半分、という所で、ルキアは不意に傘の方を向いた。

「…あのね、傘。噂で聞いたんだけど」
「ほいほい?なんざんしょ?」
「…傘って、皆にパワーアップアイテム配り歩いてるって、本当?」
「ぱわーあっぷぅ?…んーまぁ、当たらずとも遠からずぅ?誰に聞いたのかなぁ?」
「雪之丞」
「ああ~おじいちゃん」
そういえばそんな事もあったけぇ…と傘は関西弁の狐耳お爺ちゃんを脳内に思い浮かべる。

「…わ、私も、その。パワーアップする何かとか…貰えるかな?」
「ひょ?欲しいの?」
くれ、と真っ向から言われるのは驚きだ。
目を丸くして、(目がどこかわからないけれど)傘はルキアを見返す。
「…欲しい。…そして、もっと強くなりたいの」
「う~ん?強く?るっきゅん、充分強いよぉ~?」
釘を見ながら嘯く傘に、ルキアは被りを振る。
「駄目。…もっと、小夜曲の皆を守れたり…戦っても、負けない位の、力が欲しいの」
「ふぅん?」
強い、殺意とも取れる視線を前方に向けるルキア。

ああ、と傘は思い出す。
「アレだね!鴉の兄ちゃんに負けたからだねぇ?だって仕方がないでしょ~、あの」
「う、五月蝿い!!五月蝿いったら!!」
「あ、わわわ。落ち着いて落ち着いてぇ~」
びゅんびゅん襲い来る釘をかいくぐって、傘は非難の声を上げる。
「だってねぇ~人が人以外の生き物に勝つなんてぇ…難しいったらありゃしないよぉ?」
「分かってるけど…」
剥れて、少ししゅん、となるようにルキアは釘の猛攻をやめる。

力押しで戦ってきたのだから、
ちょっとした変化球に全然、付いていけなかった…。
…悔しい。…凄く。

戦の、レイブン卿との戦いを思い出し、ルキアは歯噛みする。
その後のキャンディは、とっても美味しかったけれど。

「でもねぇ~るっきゅんは、まだ駄目ー」
「…なんで?雪之丞は良くて私は駄目?年功序列?」
「いやいや~そうじゃなくてねぇ~?
欲しいかったら簡単にもらえる力なんて、何の有り難味もなくて、貰っても使いこなせなくて手元で腐っちゃうからねぇ~。
欲しいから力を手に入れられる、じゃなくてねぇ、
目的があるから、力を手に入れたぁ…じゃないと?」
「…意味わかんない。…私だって、目的あるもん…」
「報復や負けず嫌いはぁ~…僕のカテゴラリー外だもんねぇ」
ニヤニヤ、とルキアを見やれば、うう、と小さく睨むようにこちらを見上げてくる。

「ああ!」
「な、何!?」
そうして再び言葉を返そうとした刹那、傘は唐突に頓狂な声を出す。

「花屋」
「あ、…花屋」
喋るのに夢中で気が付かなかった。
視線の先に見えてきたのは、目的地、リトルショップ・オードリー。

たじ、と立ち止まる傘に、ルキアは首をかしげる。
「…別に一緒に入っても何も言われないんじゃない?」
「いやぁ、あの、僕はちょっと、うん。苦手だからねぇ~」
「苦手?花が?」
ふざけた口調はそのままで、でもどことなく引いた様子の傘に、ルキアは首をかしげる。

「じゃあ!僕はここまでねぇ~。うん。るっきゅんも強くなりたい目的、探せばいいんだよ~?」
逃走、と言わんばかりに、ひゅいーん、と傘を広げ、飛ぶように飛んでいく傘。(もしかしたらアレは飛んでいるのかもしれないけど)
を、ルキアは呆然と見上げる。

「…そういえば」
ふと、ルキアは思う。

いつもだったら襲い来るじゃがいもなんかが、今日に限って全然現れなかった。
ストレス解消に、釘滅多刺しにしようと思っていたのに…。
…傘がいたから?…まさか、ね。

頭を振って、ルキアは再び歩きす。

……強くなりたい、目的…か。

考えても考えても、今は何も思い浮かばなかったけれど。



Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж



「今日は…」
ひょこ、と頭を覗かせ、ルキアは店内を見渡す。
鬱蒼と、といった表現が見合う、兎に角花に囲まれた店…リトルショップ・オードリー。
ソラーリオの店を見つける為!と称して探索した際…諸々あって最初にたどり着いた店が、
ここの店だったのだ。
それ以降、モンスターを倒しながらのレベルアップも兼ねて、ルキアはここを訪れる。

「あたーっく!!」
「わひゃッ!?」
背後からの衝撃にルキアはつんのめる。

にょ、と首に回された、片腕…

「ルチノル…重い」
「あはは!るっきゅんは軽いー?」
「そうじゃなくて…」
おんぶする様な状態になり、ギギギ、と足を踏ん張っていれば、ひぎゃん!と意味不明の叫び声。

「…え?ルチノル?」
「すまない。大丈夫か?」
何かの勢いで膝を付くルキアに、しなやかな白い腕が伸ばされた。
「あ、えっと、有難う。セラフさん」
素直に手に捕まり起こしてもらう。
背後を見れば、デコピンでもされたのか、額を押さえ涙目のルチノル。

「そんなに人間には懐かないんだが…許してやってくれ」
「…ええと、いえいえ…」
懐かれてるのかな、あれって…
頭の隅でそんな事を考えていれば、コロコロと鈴のような小さな声が非難を上げる。

「だってぇ…るっきゅん、お花じゃない。人に見えるけど、お花だもん…」
「花?」
首をかしげるルキア。
確かに黄色い薔薇は身につけているけれど、花といわれた事は今まで一度だって無い。
「気にしないでくれ。少し、飛んでいるだけだ」
トントンと、自分のこめかみを指差し、セラフはいつも通りのクールな表情を見せる。

「で、今日はどうした?話しに来たのか?それとも花をご所望か?」
「あ、えっと、花です!花…花束を下さい。コレだけしかないけれど…これで、あの、できるだけ明るい色で、多めの花束を…」
おず、とルキアはお金を差し出す。

買いたかった紅茶を我慢して、ほぼ全財産を持ってきたけれど、
それでもあのカタログに載っていたフラワーアレンジメントみたいな花には程遠い額だ。
別段、お給金が少ないわけでもない。
ただ、今まで普通に黄色い薔薇を贈ろうと思っていたのが、急に花束を贈りたくなって、
そう思い立つ時期が、少し遅かったのだ。
小夜子さんに頼んで借りるという手もあったのだが、
それだったら自分で働いて稼いだお金で買いたい。
そう、思って今日まで溜めてきたお金を、リトルショップ・オードリーの美しき花、セラフに差し出す。

「ふむ?花束…か。用途はなんだ?一応それにそって作るつもりだが」
「あ、あの。ある人…私のお父様の命日なんですど…できるだけ、派手に、色んな種類で」
「命日に贈る花なのに、派手に?」
「……お父様の命日に、えっと、姉妹で沢山集まるけれど、それでも、来れない人…結構いるの。
お父様はお花が好きだったし・・・・命日にいけない人の分も…私が持っていければいいな、と思って」
「成る程。ちょっと待っていてくれ。…ルチノル、じゃれるのは禁止だ」
「…うー…はーい…」
再びルキアに飛び掛ろうとしていたルチノルは、ぷぅ、と剥れて、セラフの後を付いて、店の奥に入っていってしまう。


…さて。

どんなに小さな花束でも、時間は掛かるだろう。

ルキアは暇潰しがてら、店内を探索する。

普通の花、ベゴニアだの胡蝶蘭だの、ポインセチア…だのが目に付くが、所々、蝿取り草やウツボカズラなど、買って行く人の用途が窺い知れない鉢植えも多い。
まぁ、それでも花につく害虫対峙には持ってこいなのだろうし…。
それにしても、見知っている花より、見知らぬ花の方が多いかもしれない…。
そういえば、まだ見たことないけれどココの店長さん、自分で品種改良したり新種を作るの好きとか…だったっけ?
くねくねとしたのや、ギザギザしたのやら、色んな花を見ながら、一人楽しむ。



「…ルキア?一応できたが」
ややあって、セラフが店の奥から顔を覗かせる。
片手にはルキアの、そしてルキアの父親のための花束。
そしてルキアは思わず目を見開く。

「…あの、これ…」
「どうした?気に食わない花でも入っていたか?」
「そ、そうじゃなくて…あの、…これは、私の持ってきたお金じゃ…」
どういっていいか言いよどむルキア。

なんというか、彼女が出掛けに見てきたカタログに匹敵する豪華な花束…、
そう、手持ちのお金で買える訳の無い量と質だ。

「ああ、これは気にしないでくれ。…普段なら私も一言言いたいが、今回は仕方がないと思う」
「仕方が無いって、その、…別に値段以上の花をつけてくれって言ってませんよ…?」
不安そうな顔のルキアに、ああ、とセラフは頷く。

「来れない姉妹の分もこの花束に込めたいんだろう?彼女も、なら自分の分も、と言っていた。
だからこれでいい」
「…え?彼女…?確かに姉妹の分って言いましたけど、…でもセラフさんには何の関係も、」
そこまで言いかけ、ルキアは、あ。と驚くように、固まる。
もしかして、…もしかして、…彼女って、…この花屋の店長って……

見上げるセラフの表情からは何の感情も読み取れない。
しかし、ルキアは小さく確信する。

「…それで、これは受け取ってもらえるのか?」
「あ、勿論です」
反射的にルキアは手を差し出す。
手渡された花束は、派手と言っても控えめで、量が多いのにも拘らず、品良く纏まっている。
小さく、ルキアは微笑む。

「有難うございます」
「何、また暇があるなら来てくれたらいい。ルチノルも喜ぶだろう」
「ええ、…あ」
「どうした?」
「店長さんにも、有難うと。
それから…今度是非、私の紅茶を飲みに来てくださいって…伝えて下さい」
「…分かった。伝えておく」
相変わらず、能面のような表情の彼女の確かな返事に、ルキアは会釈した。




Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж Ж


小走りに、けれどもこけないように。
少しだけ、ドキドキが大きくなる。
もうすぐ、姉妹に会えるんだ。

小夜子ママには黒い服を勧められたけれど、私はいつも通りの服。
お父様に、いつも通りの自分を見てもらいたいから。

いつも通りだけど、少しだけ、昔よりも成長できたかもしれない、自分を。


ほんの一瞬、立ち止まり、手を開き、そしてゆっくりと、閉じる。


花に囲まれるのが、大好きだったお父様。
同じように、私も花に囲まれるのは大好き。
…そして。
私の手はまだ小さいけれど、いつか、誰かを撫でたり、…守る事が、出来る様になるのだろうか。
今はまだ、分からないけれど。

色とりどりの花束を抱え、黄薔薇に名の少女は、再び駆け出した。






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2009.01.14 


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